「ストップ安」で決済できず借金60万円になってしまった理由とは

20代独婚男性の体験談
独身
借金の理由：国内株式の信用取引
借金合計：借金計60万円
借金の状況：返済完了
年収：無し（無職）

今から1年ほど前の秋頃、当時は親元を離れ、サラリーマンとして、生活をしておりましたが、パニック障害という精神疾患を患い、働き続けることが困難になり、離職をしてしまいました。

そこで、大きな出費であった家賃の支払いを諦め、実家に戻り、月々の出費を極力減らしながら、次の仕事を探そうと思いました。

ですが、毎月必ずやってくる税金の徴収、生きているだけでお金がかかります。

貯金がみるみる減っていく感覚に耐えきれず、いわゆる”デイトレード”に手を出しました。当時の貯金と保有していた株式の売却金の、およそ200万ほどの軍資金からスタートをしました。

はじめたての頃は、1万勝って、1万負ける、という一進一退を繰り返していましたが、諸々の支払い期限が来ると、なにも資産状況は変わっておらず、いつしか自己資金のみでしか取引を行えない”現物取引”だけでは物足りなくなっていました。

信用取引に手を出してからは借金へ

そこから徐々に投資する金額が増え、ついには自己資金の3.3倍までの取引が可能な”信用取引”を開始してしまいました。つまり、証券会社から借金をしての株式投資。今思えば、完全にただのギャンブルです。

ここからは小さく勝って、大きく負けるの繰り返しで、200万からスタートした軍資金は、たった5ヶ月ほどで50万まで減っていました。

自分の貯金がものすごいスピードで減っていく。

こうなると理性の制御など効かず、一発逆転ホームランを狙うことしか頭になくなっていました。

ここが借金の元凶ですが、とある銘柄に対して、これはイケるという謎の高揚感を覚え、自己資金＋証券会社からの借入金を合わせて150万円ほどの買い付けを行いました。

買い付けから3日ほどは数％ずつ上昇し、「これは勝てる！」と意気揚々でした。無職になってから我慢していた居酒屋にも行き、気分は高まっていました。ですが、私は決算を跨いでしまったのです。詳しく調べたわけでもないのに。

まあ大丈夫だろう、コケても大した怪我はしないだろうと。

翌日9時、市場がオープンすると、その銘柄は取引が行われておらず、いわゆるストップ安の状態でした。思考が完全に停止し、決算情報の確認など考えることができず、戦う気力の抜けた状態でした。

昼も夜も食事が喉を通らず、摂取可能だったのは唯一アルコールだけでした。結局その株を売却できたのが、決算から翌々日で110万円ほどのマイナス。

人生初の借金が確定した瞬間でした。

”現在無職である私””借金60万を背負った私”、

思考は堂々巡りで、何かを考えることさえできず、唯一知っていた、現金入手手段のカードローンに頼りました。

とにかく返済を急いだため、社会人時代に作ったクレジットカードで手っ取り早く現金を借り入れ、証券会社に支払いました。病気を理由に無職になった私でしたが、そこからはとにかくできる仕事を、と思い、引っ越し屋、倉庫などの、キツイながらも高単価のバイトを受け、3ヶ月ほどで借金完済をしました。

3ヶ月の借り入れだったので、大した利子がかかってないというのが唯一の救いでした。

借金からは解放された後は、なんとか定職に就くことができました。

ですが株式投資から解放されることはありませんでした。

信用口座は解約し、現物取引だけにしたものの、それでも毎日相場動向は気になってしまいます。

現在、株式相場は高値更新を目指し上昇している中で、指を咥えて見ているだけです。今、あの軍資金があれば、と悔しさと後悔の気持ちでいっぱいです。