海外FXで1200万負け自己破産。ゼロカットシステムで借金を負った理由

30代独婚男性の体験談
住居：両親と同居、戸建て（ローンなし）
借金の理由：FX,商品先物
破産直前の負債：消費者金融　２４０万　　クレジットカード　６８０万　　友人　３００万　
合計１２００万程度
借金の状況：２０２３年自己破産
年収：700万程度

FXとの出会い　ビギナーズラック

私の借金人生は国内ＦＸから始まりました。

FXは証拠金と呼ばれる元金でレバレッジを掛けてより大きな金額の取引をします。

例えば国内FXの場合レバレッジは25倍ですので、100万円元金があれば理屈上2500万円相当の通貨取引が可能です。

当然ですが証拠金が多いほどより大きな取引が可能ですので、多少下手くそでも知識をつければ百万円以上の証拠金があれば１日１万～２万くらい稼ぐことは可能です。

当時の私は投資に全く興味がなく、趣味もなかったので貯蓄しかしてこなかったので、入社１０年、実家暮らしをしていたこともあり１５００万くらい余剰金がありました。

ですので、証拠金も２００万くらいで一日１万円は稼いでいました。

コロナショックで大敗

突如訪れたコロナショックにより、大規模な円高が起きました。

当初私はナンピンと呼ばれる手法で利益を取得していたため、一方的に下落し続ける通貨安に対し私は含み損を増やし続け、ついにメンタル的に耐えきれず３００万以上の損失を出しました。

図　FXにおけるナンピン手法

当時私はポンド円で取引をしていましたが、コロナショックで145円だったのが123円まで1か月で一方的に下落しましたので、本当に毎日が生きた心地がしませんでした。

この取引を通じて私は大金を失ったショックも大きかったのですが、「取引に負けた悔しさ、失ったお金を取り戻したいという気持ち」で頭がいっぱいになりました。

ハイリスクな海外ＦＸ　ギャンブル中毒と生活崩壊

悔しさで頭がいっぱいになった私はより早くお金を取り戻そうとしたため、生活費以外の余剰金すべてをハイリスクハイリターンである海外ＦＸにつぎ込みました。

海外FX会社は国内FX会社と異なりレバレッジがより高い状態（５００～１０００倍）で取引をすることができます。

前もって言っておくと、海外FXのすべてが悪いわけではありません。

リスク管理ができる上手な人がやれば確実に資金を増やすことは可能ですし、上手な人は短期間で５万円を１０万、２０万にする人もざらにいました。

ただ、取引金額が大きいとほんのわずかに価格のレートが動いただけで数万・数十万単位の損益金額が動くことになり、下手な人がやればあっという間にお金を失います。

私は最初この激しい値動きに対しビビってはいたものの、だんだん感覚がマヒしてしまい、気が付いたら数万・数十万円の取引をするのが当たり前で、昔みたいに1～2万レベルでの利益ではすっかり満足しなくなっていました。

＊XAUUSD→ドル建て金先物の取引。１Lotであれな1ドル動くごとに1～1.5万くらい損益が変動。

上の図はとある勝った日の取引です。右側の青が利益、赤が損失なのですが、もう金額が世間とはかけ離れていることが分かると思います。

軽く海外旅行や大きな買い物ができるレベルです。こんなことを毎日していれば金銭感覚が壊れるのにさほど時間は要しなかったと思います。

このような取引を過ごしていくうちに、私の資産は急速になくなっていきました。

当時の心理状態として完全にギャンブル中毒状態になっており、何としてもトレードで勝ちたく、四六時中チャートを見てはエントリーをしなければ落ち着かない状態になってしました。

私生活も仕事や家族の時間までずっとチャートをみていました。ひどい時は会社でずっとスマホを通してトレードしていて、勤務時間中に大負けして早退をした日もあるくらいです。

会議中でもずっとそわそわしていましたね。もう完全に壊れていました。

■海外FXでは
ゼロカットシステムが有るため借金をしないという人がいますが誤りです。
資産を入れる時点で借金をしている場合はもちろん借金となります。
今回のケースでは借金をする事で原資を入れていますのでゼロカットで有れ借金になっています。

海外FXで負け続け、借金生活へ突入　そして破産へ

もうすべてが後戻りできない状態になっていました。手元の資金が底をつきましたので、何としてもトレード資金を調達するため積み立てＮＩＳＡなどの株式もすべて現金化してトレードをしました。

しかし、無情にも取り戻すという気持ちとは逆にトレードでは負けが続いていき、更に負けた分を取り戻そうとより大金でハイリスクトレードをしてしまい、とうとう無一物となりました。

しかしここでも私は止まりませんでした。

お金が無くなったら普通は取引でいないので手を引くはずですが、海外ＦＸにはクレジットカードのショッピング枠で入金してトレードをすることが可能です。

そのため、私は複数持っていたクレジットカードのショッピング枠満額使い切るまでトレードで負け続けました。

また、クレジットカードの支払いのために消費者金融や友人からもお金を借りて、借りて空いた枠をまたＦＸで入金するという悪巡回に陥りました。このようにして、最終的には私は完全に資金がショートして、自己破産をするに至りました。

破産後の人生

自己破産手続きに入り、私は５か月の時間を要して自己破産にいたりました。自己破産をする場合、このようなギャンブルが原因だと管財事件という区分に当てはまり、手続きが非常にややこしくなります。私の場合は反省が認められ自己破産を成立させてもらいましたが、ケースによっては破産ができない場合もあるようです。

このようにして、私の借金地獄は終わりを告げました、しかし、借金がなくなっても私は多くのものを失っていました。信頼してくれた周りの身内や友人など多くの人の期待を裏切ってまでFX取引を行ったからです。

また、破産までほぼ時間をトレードにしか費やしていませんでしたので恋愛もしていませんので恋人もいません。

ですので、人間関係はなくなり孤独状態でした。自業自得ですね。

ではいまどうしているかについてですが、唯一の救いとしては仕事を辞めなかったことでしょうか。

ギャンブルから手を引いた私にとって仕事が今の生きがいになっています。

お給与もそこそこもらえている状態ですので、まずは精一杯働いて、世の中に貢献しながら資産形成をしていこうと日々過ごしています。

最後に皆様へ

このサイトを閲覧されている方は多少なりとも金策に苦労されている方々だと思います。

ですので、そのような方々に私からお伝えしたいことは一つだけ、自分の親しい人を不幸にしてまで得られるお金には価値はないということです。

そのような手段で稼いだお金はいずれ何かしらの形で失う可能性があります。

ですので、まずは周りの人を大切することを優先し、それからお金を稼ぐことを考えてください。

私にとってFXは最悪な投資方法でしたが、人によってはFXは悪手ではないかと思います。

ただ人には向き不向きがあり、このような投機的な手法が向いている人もいれば、仕事を頑張って昇進して給与を増やすのが向いている人もいます。

まずはご自身の性格と向き合って、そこから前に進めていけたらと思います。