何度も借金を繰り返す俺が気付いたこと、病気じゃなくて習慣だった

借金を3回繰り返した男の話

25歳の時に借金100万。返済を終えて2年後、また借金150万。そしてまた返済。30代に入ってから、また借金200万。

こんなことを3回も繰り返してた。妻から「病気じゃないの」と言われたことも何度かある。実は、自分でもそう思ってた時期がある。ただ、今は違う認識を持ってる。

借金を繰り返すのは、病気じゃなくて習慣だった。その習慣を変えるのに、5年かかった。

なぜ借金を繰り返すのか。最初の分析間違い

借金を繰り返す理由を、当初は「ストレスのせいだ」と考えてた。仕事がしんどい時に、気分転換でカードを使う。それが習慣化して、気がついたら返済額が膨れてる。そういう構図だと思ってた。

だから、当時の対策は「ストレスを減らす」ことだった。仕事を変える、趣味を増やす、カウンセリングを受ける。色々やってみた。ただ、それでも借金は繰り返された。

弁護士に相談した時に言われたのは「ストレスじゃなくて、お金に対する危機感がない」ということだった。

その言葉が、ずっと心に残ってた。

最初の借金が返済できた理由

25歳の時の100万円の借金は、実は1年半で返し終わった。当時は、まだ給与が手取り30万程度で、月々7万くらいの返済をしてた。

返済できたのは「絶対に返す」という強い決意があったからだと思ってた。ただ、実際のところは「親に知られるのが怖かったから」という後ろめたさが原因だった。

つまり、返済の動機が「強い決意」ではなく「親に知られたくない」という恐怖だったわけだ。その恐怖が減ると、返済のモチベーションも下がる。それが2回目の借金につながった。

2回目の借金。返済が終わったのに、すぐに借金した理由

2回目の借金150万は、1回目を返済してから2年後。当時は給与も増えて月35万になってた。生活も安定してた。それなのに、また借金した。

この時が、本当に意味不明だった。借金を返済した喜びを感じられずに、すぐにまた借金のスパイラルに入った。その時の心理状態を思い出そうとしても、正直なところよく覚えてない。

ただ、行動パターンは明確に見える。給与が増える → 返済が楽になる → 返済が習慣化する → その習慣が「カード払い」として続く → 気がついたら限度額まで使ってる。その繰り返しだった。

つまり、借金を繰り返す理由は「お金がない」からではなく「お金の使い方が習慣化してる」からだったんだ。

ようやく気付いた。「カード払い」という習慣

3回目の借金200万を抱えてた時点で、やっと分析ができるようになった。

毎月、自分のカード利用額を見ると、200万超えてた。その内訳は何か。食費、光熱費、通信費、子どもの教育費。こういった生活費が約25万。その他、外食、本、服、オンラインサロン。こういったものが月7万～10万。そして、返済が20万。

合計で月52万～55万。給与が手取り45万なので、完全に赤字。その赤字をカード払いで埋めてた。

つまり、借金を繰り返す理由は「生活費が給与を超えてる」という単純な構図だった。

習慣を変えるために、やったこと

その後、俺がやったことは3つ。

1つ目：カードを物理的に触れない状態にする

クレジットカード5枚あった。それを全部、銀行の貸金庫に入れた。物理的に取り出せない状態にした。

当時の妻は「こんなことで治るわけない」と言ってた。ただ、習慣の力は想像以上だった。カードが手元にないだけで、月々のカード払いが激減した。

当初は「困ったな」という感覚があった。ただ、2ヶ月、3ヶ月と続くと、その困った感覚は消えた。デビットカードやプリペイドカードで何とかなることに気付いたから。

この3ヶ月間が、習慣を変えるための最初の勝負どころだった。

2つ目：毎月の支出を「見える化」する

家計簿をつけ始めた。正確には、妻が家計簿をつけてて、それを毎月、給与日に一緒に確認する習慣をつけた。

最初は「こんなに使ってたのか」というショックの連続だった。外食が月3万。本が月2万。オンラインサロンが月1万。「必要ない」と思ってた支出が明確に見えた。

この「見える化」が、多分、一番効いた。借金を繰り返す時は「現在の支出を把握してない」という状態だったんだ。カード払いだから、締め日までは「使った感覚」がない。その隙に、どんどん使ってる。

毎月の家計簿確認で「今月は外食が多かった」「本を買いすぎた」という現実を突きつけられることで、翌月の行動が変わるようになった。

3つ目：給与が増えても、生活水準を上げない

3つ目は、一番難しかった。給与が増えても、その分を貯蓄に回すという決定。

当時の給与が月38万で、そこから年1回くらい、月2万～3万のベースアップがあった。普通は「給与が増えたから、生活を少しいい物にしよう」と考えるはず。ただ、それをしなかった。給与が月40万になっても、生活費は月25万のまま。給与が月45万になっても、生活費は月25万のまま。

その増分を全部、返済と貯蓄に回した。正直、つまらなかった。同年代の友人たちが、給与が増えた分を服や食事に使ってるのを見ると、羨ましかった。ただ、「これをしないと、また借金を繰り返す」という危機感があった。

結果として、5年でこの習慣が定着した。今は「給与が増えても、生活水準は上げない」という感覚が、当たり前になってる。

借金を繰り返す人へのメッセージ

ネットで「借金を繰り返す人は病気」という論調をよく見かける。ただ、俺の経験から言うと、それは違う。病気じゃなくて、習慣だ。

習慣は変えられる。ただし、3ヶ月じゃなくて、半年、1年、そして5年という単位で変わるものだ。

俺の場合、最初の3ヶ月でカード払いが激減した。その後、半年かけて「給与の範囲で生活する」という感覚が定着した。1年経った時点で「もう借金はしない」という確信があった。そして、5年経った今、その習慣は完全に定着してる。

今は給与が月50万を超えるようになったし、貯蓄も増えてきた。借金も完全にゼロになった。

ただ、その過程で一番大事だったのは「借金を繰り返す自分を責めない」ということだったと思う。責めていたら、多分、変わらなかった。「これは習慣だ。習慣は変えられる」という冷静な分析と、妻の無言のサポートがあったから、変わることができた。

同じ状況にいる人がいたら「病気じゃない。習慣だ。だから変えられる」という言葉を伝えたい。

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