エポスカードは「勝手にリボ」になる？借金が膨らむ恐怖と設定確認の重要性

マルイでのショッピングが「自動リボ」に変わった日

2021年10月。

私は、丸井（マルイ）でエポスカードを申し込んだ。

当時、秋物のコートやバッグが欲しかったのだ。

「エポスカードなら、年会費無料。マルイでのショッピング時にポイントが2倍。」

営業トークに乗せられた私は、その場で申し込みボタンを押した。

審査も数分で終わり、即座にカード利用可能になった。

カード限度額：30万円。

その日のうちに、コート（5万円）、バッグ（2万円）、靴（1万5千円）。

合計8万5千円を使った。

楽しかった。ショッピングの喜びに、私の心は満たされた。

その時、カード会社の利息構造など、完全に頭から消え去っていた。

「自動でリボ払いに」という落とし穴

翌月、エポスカードから請求書が来た。

合計8万5千円の請求。

私は、「ああ、来月給与が入ったら、全額返済しよう」と思いながら、特に気にしなかった。

しかし、その請求書に、小さく書かれていたのだ。

「ご利用方法：リボ払い」

ええ。リボ払い。

その時点で、私は完全に「自動リボ」の罠に陥っていたのだ。

エポスカードの営業は、申し込み時に、「リボ払い設定」について説明していなかった。

あるいは、説明していたとしても、私が聞き漏らしていたのだ。

いずれにせよ、意識しないうちに、リボ払いに設定されていたのだ。

月々3,000円の返済？…利息で借金が増える恐怖

エポスカードのリボ払い設定では、月々の返済額が「月3,000円」に設定されていた。

「月々3,000円なら、給与から簡単に返済できる」

そう思った私は、特に対策を講じなかった。

しかし、その翌月、新たにエポスカードで3万円の買い物をしてしまった。

その翌月も、2万円。

気が付いた時には、エポスカード残高は以下の通りになっていた。

11月時点

• 初期利用額：8万5千円
• 11月新規利用額：3万円
• 残高：11万5千円

12月時点

• 前月返済：3,000円（利息に消える）
• 12月新規利用額：2万円
• 残高：13万2千円

エポスカードの金利は、年率15%。

初期残高8万5千円での月々利息：8万5千円 × 15% ÷ 12 = 1,062円

つまり、月々3,000円の返済では、利息1,062円を払った上で、わずか1,938円の元金返済に過ぎないのだ。

そこに新規利用が加わると、返済額は完全に追いつかなくなる。

残高が増え続ける。

この恐怖に気付いたのは、翌年2月だった。

エポスカード残高：15万円に到達。

年率15%の利息：月々1,875円。

月々3,000円の返済では、利息と新規利用額の増加に追いついていないのだ。

エポスのマイページで確認…「勝手にリボになっていた」

私は、エポスカードのアプリを開き、詳細を確認した。

確認できたのは、以下の設定：

ご利用可能額：30万円 ご利用額：15万円 リボ払い設定：月々3,000円 金利：年率15%

そこに書かれていたのは、以下のような注釈だ：

「リボ払い設定を解除される場合は、次回からのご利用が一括払いに変更されます。既存の残債は引き継がれます。」

つまり、現在の15万円はリボ払いのまま。

新規利用を一括払いに変更しても、既存の15万円は、月々3,000円で返済し続けなければならない、ということだ。

設定解除の手順と、その後の絶望

私は、急いでリボ払い設定を解除した。

エポスカード アプリの操作手順：

1. マイページにログイン
2. 「ご利用中のサービス」をタップ
3. 「リボ払い」をタップ
4. 「設定変更」をタップ
5. 「リボ払いを解除する」をタップ

設定は解除された。

しかし、既存の15万円は、月々3,000円のリボ払いのまま。

完済までの期間：約60ヶ月（5年）

その間の利息総額：約25万円。

つまり、15万円の買い物が、最終的には40万円の支払いになるのだ。

なぜエポスは「勝手にリボ」を導入するのか

エポスカード（丸井グループ）が、申し込み時にリボ払いをデフォルト設定する理由は、シンプルだ。

年率15%の利息収入。

仮に、日本全国のエポスカード会員100万人が、平均15万円のリボ払い残高を持っていたら：

100万人 × 15万円 × 15% = 225億円の利息収入。

つまり、エポスにとって、リボ払いは、単なる「返済方法」ではなく、年間数百億円の利息収入源なのだ。

消費者にとっては、完全な地獄。

エポスにとっては、上手な顧客搾取のビジネスモデル。

エポスに限らず、多くのクレジットカード会社が同じ手法を使う

実は、この「勝手にリボ」は、エポスに限ったことではない。

• 楽天カード：申し込み時に「自動リボ」設定を勧める
• 三井住友カード：「リボ払い登録」をデフォルト設定
• 丸井エポスカード：マルイでの申し込み時に「リボ払い」をデフォルト設定
• JCBカード：「キャンペーン特典」と引き換えに「リボ払い設定」を求める

これらは、すべて意図的な戦略だ。

クレジットカード会社は、加盟店手数料（売上の2～3%）で儲かるが、利息収入の方が、遥かに利益率が高いのだ。

だから、申し込み時に、消費者が気付きにくい形で、リボ払いを設定するのだ。

教訓1：クレジットカード申し込み時に「リボ払い設定」を確認する

もし現在、複数のクレジットカードを持っていたら、すぐに確認してください。

各カード会社のマイページで、以下を確認する：

• リボ払い設定は有効か
• 有効な場合、月々の返済額はいくらか
• 現在のリボ払い残高はいくらか

その結果、不要なリボ払い設定が見つかったら、即座に解除してください。

既存の残債がある場合は、月々の返済額を最大限引き上げて、なるべく早期に完済することが重要です。

月々3,000円では、利息に消えるだけ。

月々1万円、2万円、可能であれば3万円以上の返済が必要です。

教訓2：新規申し込み時に「リボ払いの有無」を確認する

クレジットカードを新たに申し込む際は、必ず以下を確認してください：

申し込み画面に、「リボ払いの希望」という項目があるはずです。

ここで、必ず「希望しない」を選択してください。

営業トークで「ポイントがもらえます」「特典が増えます」と言われても、断固として拒否してください。

年率15%の利息ほど、割に合わないものはありません。

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※ この記事は実体験に基づいています。現在、エポスカード含め、複数のリボ払い残債を抱えているなら、自治体の消費者相談室や、弁護士相談に一度足を運んでください。解決方法はあります。