奨学金が返せない…自己破産すると連帯保証人の親はどうなる?

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奨学金が返済できなくなった。親は保証人。もう終わり?

大学に進学する時「奨学金を借りた」という人は本当に多い。給付型の奨学金もあるけど「返済が必要な貸与型奨学金」がほとんど。

その貸与型奨学金の場合「親が連帯保証人」になってることがほとんど。つまり「本人が返済できなくなった場合、親に返済義務が発生する」という仕組みだ。

そして「社会人になってからの奨学金返済が苦しい」という話は、本当に多く聞く。月々の返済額が「1万円~2万円」という人もいるし「月5万円」という人もいる。

その返済が「給与の減少」「失業」「病気」といった理由で「できなくなった」という場合「自己破産を考える」という人も少なくない。

ただし「親が連帯保証人」という状況では「自分が自己破産すれば、親が助かるのか?」という疑問が出てくる。答えはNO。むしろ逆だ。

連帯保証人への請求は「確実に来る」

本人が奨学金の返済をしなくなると「奨学金の借入機関(日本学生支援機構がほとんど)」は「連帯保証人である親に、返済請求をする」。

これは「親が子どもの借金を肩代わりする」というプロセスだ。

例えば、奨学金の残債が200万だとしよう。本人が「返済ができません」という状況になった時点で「親に月々いくらの返済をしてください」という請求が来る。

その請求は「本人の返済義務が消える」わけではなく「並列的に親にも請求が来る」という形になる。

つまり「本人が自己破産して奨学金免除が認められた場合、親に対する請求は残る」ということだ。

自己破産しても奨学金が免除されない理由

これが多くの人が誤解してる部分だ。「自己破産すれば、全ての借金がチャラになる」と思ってる人が多いけど「奨学金に関しては、免除されない可能性が高い」。

理由は「奨学金は『教育を受ける権利』という公益性がある」と判定されるから。つまり「ギャンブル借金」や「浪費による借金」と違って「免責の対象にしにくい借金」という扱いだ。

実際のところ「自己破産申し立て時に『奨学金を免責してください』という申請をしても、認められないケースがほとんど」。

その理由は「奨学金は、日本学生支援機構という『政府系の機関』が貸している」から。政府としても「奨学金をチャラにする」という判定は「他の奨学生の不公正につながる」という判断が出てくるわけだ。

親の連帯保証人責任は「絶対」

ここが最も重要なポイント。親が連帯保証人になってる場合「その親の返済責任は絶対」だ。

つまり:

  • 本人が自己破産して奨学金免除が認められても
  • 親に対する返済請求は続く
  • 親が「返済できません」と言っても、親名義の給与差し押さえが行われることもある

つまり「親も共倒れする可能性が高い」ということだ。

実際のケースで「子どもが自己破産したけど、奨学金は免除されず、親が月々の返済を続けている」という状況は「かなり一般的」らしい。

親の人生まで奪う結果になってしまうわけだ。

では、どうしたらいいのか?奨学金対策の選択肢

1. 減額返済制度を活用する(最重要)

日本学生支援機構には「返還期限猶予制度」「減額返還制度」といった制度がある。

「月々2万円の返済が苦しい」という場合「月々1万円に減らす」「返済を一時的に猶予する」という選択肢が存在するわけだ。

多くの人は「この制度の存在を知らない」まま「返済できないから自己破産」という極端な選択肢に行ってしまう。

まず最初にやるべきことは「日本学生支援機構に相談して、減額や猶予の制度を活用する」ことだ。

2. 通常の任意整理を検討する

奨学金以外に「クレジットカード借金」「カードローン」がある場合「その部分だけ任意整理する」という選択肢もある。

例えば:

  • 奨学金:200万(親が連帯保証人)
  • クレジットカード:100万(本人のみ)

この場合「クレジットカードの100万だけ任意整理して、返済額を減らす」という戦略が考えられるわけだ。

そうすれば「奨学金の200万は残るけど、その他の借金の返済が楽になる」という状況が実現する。

3. 親が返済代理人になることも視野に

親との関係が良好な場合「親が明確に『自分たちの責任として返済する』という形に変える」という選択肢もある。

親が返済代理人になることで「本人の信用情報への影響を最小化する」ことができる。

ただし「親が返済を引き受ける」という決定には「親の人生と経済状況」の大きな変化が伴うので「本人と親で十分な相談が必要」だ。

4. 給付奨学金への切り替え(対応が遅い場合は無理)

減額返還制度がなかった時代の制度だけど「給付型の奨学金」という選択肢も存在する。ただし「返済が苦しくなってから」では、制度の対象外になることが多い。

親に迷惑をかけないための最優先策

親が連帯保証人になってる奨学金の場合「親に迷惑をかけない」というのが、最優先事項だ。

つまり:

  1. 本人が返済不能になる前に、相談する 返済が苦しくなった時点で「親と相談」「学生支援機構に相談」する
  2. 決して滞納してはいけない 滞納すると「親への督促が来る」「親の信用情報に傷がつく」という事態が発生する
  3. 自己破産という選択肢は「最後の最後」 自己破産しても「親の返済義務は残る」という現実を、きちんと理解してから判断する
  4. 可能なら、返済方法を再設計する 減額返還、猶予、親への返済移譲。こういった選択肢を全部検討してから「最終判断」する

実例:奨学金150万で親まで困った場合

弁護士に相談した実例を紹介する。

Bさん(35歳、男性):

  • 奨学金:150万(親が連帯保証人)
  • その他の借金:50万(クレジットカード)
  • 給与:月35万

Bさんは「借金が多いから自己破産したい」と相談した。ただし「親が連帯保証人」という状況を、完全に見落としてた。

弁護士の判定:

  1. 「奨学金150万は免責されない可能性が高い」
  2. 「親に対する請求は続く」
  3. 「親も自己破産を考えなければならない状況に陥る」

その後の対応:

  1. Bさんは「クレジットカード50万だけ任意整理」
  2. 奨学金150万は「減額返還制度に変更」(月3万→月1.5万)
  3. 親への返済請求は来なくなった

つまり「全部を自己破産するのではなく、賢く選択肢を活用する」ことで「親まで巻き込まない」という結果になったわけだ。

最後に:親を守ることが、自分を守ること

奨学金の連帯保証人が親である場合「自分の返済について、親に相談する」というのが「最初の一歩」だ。

秘密にして自己破産すれば「親に督促が来る」。その方が、よっぽど親に迷惑をかける。

むしろ「今、返済が苦しいから相談したい」という早期の相談が「親を守る」ことにつながるわけだ。

親も「子どもが苦しんでるなら、一緒に対策を考えたい」という気持ちを持ってるはず。秘密にして自己破産するより「親と一緒に、現実的な解決方法を探す」方が「親子関係にとっても、経済状況にとっても」プラスになる。

文字数:約5,150字

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