借金500万が「大したことない」と思った理由|月収と返済額の現実的な関係

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借金500万という金額の重さと軽さ【収入と負債のバランスが全て】

借金500万円と聞くと、多くの人は「人生終わった」と感じるでしょう。私も、最初にこの数字を見た時はそう思いました。ただ、実際に返済を始めると、その感覚は大きく変わります。

結論から言うと「借金500万は、月収と返済期間の組み合わせで、その重さが全く変わる」ということです。

私の場合、30代の会社員で月収は手取り45万円。妻と子ども2人との4人家族で、生活費は月々32万円です。つまり、毎月13万円の余裕があります。その13万円を借金返済に充てた場合、500万円を完済するのに約38ヶ月、つまり約3年2ヶ月かかります。

この計算をした時点で「あ、これなら何とかなる」という感覚が生まれました。つまり、借金500万が「大したことない」に変わった瞬間です。

月収30万台の人にとって借金500万は人生を変える負債

月収30万円以下の人にとって、借金500万は本当に「大したことない」では済みません。月々の余裕が3万円程度の場合、500万を返済するのに10年以上かかります。その間、人生設計は全て借金返済中心に回ります。

給与が上がるのを期待できない人、転職で減給の可能性がある人、子どもの教育費が増える予定の人。そういった人にとって、借金500万は本当に重い負担です。

ただ、月収が45万円以上ある場合、話は変わります。月々の返済が可能な額の中で、3年程度という限定的な期間であれば「何とかなる」という感覚が生まれます。つまり、同じ500万円の借金でも、月収の差で重さが全く変わるということです。

なぜ借金額より「月収と返済期間」が重要なのか

借金の重さを判定する際、多くの人は「総額」に注目します。ただ、実務的には「月々いくら返済が必要か」「何年で完済できるか」という2点が最も重要です。

例えば、借金1000万円でも、月々20万円の返済が可能なら、5年で完済できます。一方、借金200万円でも、月々1万円の返済しかできないなら、20年かかります。前者の方が、圧倒的に人生への負担が小さいです。

私の場合、借金500万を月々13万円返済するという計画は「十分に現実的である」という判定が、弁護士からも出ました。それは「月収に対して返済額が25%以下」という基準による判定です。

一般的には月収の25%以上を借金返済に充てることは「家計が圧迫される」と判定されます。25%以下なら「十分に生活できる範囲」という判定です。私の場合、13万円÷45万円=約29%のため、若干高めですが「不可能ではない」という評価でした。

月々13万円の返済で生活が変わること【現実的な家計圧迫】

借金500万を月々13万円返済するという計画は「理論的には可能」です。ただ、実際に生活すると、様々な課題が生まれます。

月32万円の生活費で余裕がゼロになる家計

生活費が月32万円という設定は、かなり厳密に管理された家計です。食費6万円、光熱費1万2000円、通信費1万5000円、住宅費12万円、子どもの教育費4万円、その他雑費7万3000円。

この内訳を見ると「削る余地がほぼない」という状況が分かります。食費を5万円に削れば月1万円の余裕が生まれますが、4人家族で栄養バランスを考えるなら、これ以上の削減は難しいです。

つまり、月々13万円を返済に充てるという選択は「生活費を圧迫する」ことを意味します。実際のところ、子どもの急な医療費、衣料品の買い替え、冠婚葬祭の出費など、想定外の支出は必ず発生します。

そういった時は、どこかで対応しなければなりません。通常は「その月の返済を少し減らす」という対応になります。ただ、それをやると完済日が延びます。結果として「3年2ヶ月ではなく、3年6ヶ月かかる」というズレが生まれるわけです。

妻の給与が家計に必須な状態

私の場合、妻は専業主婦ですが「パートで月5万円の収入がある」という状況です。その5万円がなければ、生活費32万円は確保できません。つまり、妻の就業継続が絶対条件になります。

妻が「子どもの病気で仕事を休む」「親の介護で退職する」という事態が起きた場合、返済計画は崩壊します。現実的には、月々の返済額を13万円から10万円に落とす必要が出てきます。そうすると、完済期間は約4年に延びます。

この「人生の不確実性」に対応できるのか、というのが最大の課題です。

貯蓄ができない期間への不安

月々45万円の給与から、生活費32万円と返済13万円を引くと、ゼロです。つまり、貯蓄ができません。

通常の家計であれば「月々2万円は貯蓄に回す」という計画がありますが、借金返済中はそれができません。結果として、3年間は貯蓄が増えず、緊急資金も確保できない状態が続きます。

子どもの大学資金、親の介護費用、自分たちの老後資金。こういった中長期的な不安は、借金返済中は解消されません。

それでも借金500万が「大したことない」と感じる理由【心理的な安心感】

にもかかわらず、私が「借金500万は大したことない」と感じるのは、以下の理由があります。

完済のゴールが見える

借金500万を月々13万円返済という計画は「3年2ヶ月で完済」というゴールを示します。つまり「いつ終わるのか」が明確です。

これは心理的に非常に重要です。「あと3年で自由になれる」という認識があると、現在の生活の圧迫も「一時的なもの」に感じられます。

一方、返済期間が10年20年という状態なら「人生の大部分を借金返済に費やす」という絶望感が生まれます。その差は、心理的な負担を大きく変えます。

月々の返済額が「現実的」である

月々13万円という返済額は「無理して工面する額」ではなく「給与から自然に捻出できる額」です。

この点が重要です。月々30万円を返済しろと言われたら、それは「絶対に不可能」です。ただ、月々13万円なら「難しいが、やれば何とかなる」という感覚を持つことができます。

この「何とかなる感」は、モチベーション維持に直結します。

複数社からの借金ではなく、単一債権者への返済

私の場合、銀行ローン500万という単一の借金です。つまり、月々1社への返済で済みます。

これが複数社からの借金だと「毎月、複数の返済日をチェックする」「複数の通帳残高を確認する」という手間が増え、心理的な負担も増します。ただ、1社なら「その1社の通知を待つだけ」という単純さがあります。

月収45万円という中流サラリーマンの立場

借金500万が「大したことない」に感じられるのは、結局のところ、月収45万円という経済的な立場に支えられています。

この月収があれば、月々13万円の返済は「不可能ではない」という判定が可能です。ただ、月収30万円なら「月々8万円の返済が限界」という判定になり、完済期間は6年以上に延びます。その時点で「借金500万は人生を大きく変える」という認識に変わります。

つまり、借金の重さは「絶対値」ではなく「相対値」です。同じ500万円でも、月収によって重さが全く変わります。

月収45万円のサラリーマンとして、私の状況は「借金はあるが、人生を完全には奪わない」というバランスを保つことができています。それが「借金500万は大したことない」という認識につながっているわけです。

ただし、この認識は「何もしなくてもいい」という意味ではありません。3年間の確実な返済努力、妻の就業継続、想定外の支出への対応。こういった「条件付き」の中での判定です。

その条件が崩れれば、借金500万は本当に「大したことない」では済まなくなります。

文字数:約3,300字

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