【体験談】アラフォーで借金680万円。家族に言えなかった俺が“地獄の底”で見つけた希望

はじめに

俺は、38歳。地方の中小企業で働くごく普通の会社員だ。
妻と子どもが2人。表向きはどこにでもいる“真面目な父親”だと思われている。
けれど現実は、借金680万円の多重債務者。

人生でいちばん怖いのは、バレることじゃなかった。
「家族に言えないまま壊れていく自分」を見ていることだった。

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借金の始まりは、ほんの10万円だった

最初は小さなキャッシングだった。
車検代10万円。「来月のボーナスで返せばいい」そう思っていた。

でも、借金って不思議なもので、
一度“借りられる安心”を知ると、次も平気になる。

次は、飲み会。
その次は、家電の買い替え。
気づけばカードが3枚、返済日は毎週のように来た。

「今月だけ乗り切れれば」──その言葉を、何十回も繰り返した。
まるで、沼に沈んでいくみたいだった。

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ギャンブル、浪費、現実逃避

借金が増えた理由は、ギャンブルだけじゃない。
パチンコ、FX、風俗、コンビニ、ラーメン。
「ちょっとしたご褒美」の積み重ねが、毎月5万円消えていった。

ストレスが溜まると、深夜のラーメン屋に入る。
「もうどうでもいい」と思いながら、スープを飲み干す。
食べ終わると、少しだけ満たされる。
けれど同時に、“また逃げたな”って自分を責める。

そして次の日、また働く。
返済のために働いて、疲れて、ストレスを食べて、また借金する。
止められなかった。

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家族には、言えなかった

妻は真面目で、働き者だ。
子どもたちは素直で、笑顔が可愛い。
「お父さん、今日Uber行くの？」と聞かれるたびに、胸が痛んだ。

俺は副業でUber Eatsの配達をしている。
会社には内緒だ。
夜、子どもたちが寝てから出る。
雨の夜も風の夜も、バッグを背負って自転車を漕ぐ。
報酬は1日で4,000円。
それでも、罪悪感を少しだけ減らせる気がした。

けれど、妻には借金のことをまだ言っていなかった。
本当は、何度も話そうと思った。
「実は…」と切り出そうとして、喉の奥で言葉が止まる。

怖かった。
責められるのがじゃない。
失望されるのが怖かった。

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「3万円、貸してほしい」が言えなかった夜

2025年10月25日。
返済日。あと3万円足りなかった。
口を開けば、きっと助けてくれる。
でも、言えなかった。

「またお金の話？」
その一言が聞こえた気がして、何も言えなくなった。

寝室の明かりを見ながら、思った。
俺が本当に失っていたのは、お金じゃない。
「信頼」だった。

鏡の中の自分に言った。

「借金より怖いのは、人に頼れなくなることだ。」

その夜は眠れなかった。

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それでも俺は走った

次の日、夜の街をUberバッグを背負って走った。
風が冷たくて、泣いてるのか汗なのか分からなかった。
信号待ちでふと空を見上げたら、星が見えた。
少しだけ、「まだ終わってない」と思えた。

SNSでつながっている“借金垢”の仲間が言ってくれた。

「諦めんよ、まだやれる。」

たった一言なのに、あの夜、確かに俺を救った。

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家族に話した日

数日後、ようやく妻に話した。
「実は、借金がある。総額は600万を超えてる。」
震える声で伝えた。

沈黙。
長かった。
でも、返ってきた言葉は意外だった。

「なんで、もっと早く言ってくれなかったの。」

泣きながらそう言った妻の手を見て、
初めて、「もう一度やり直せるかもしれない」と思えた。

俺は彼女を傷つけた。
でも、まだ壊れてはいなかった。
話すことで、家族は“敵”から“味方”に戻った。

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少しずつ、返す日々

毎月1万円ずつでも返す。
焦らず、倒れず、続けることを目標にした。
「完済」じゃなく、「継続」をゴールにした。

夜はUber、昼は仕事。
子どもとスーパーで餃子を包む時間が、唯一の癒やし。
あの笑顔のために、もう逃げたくない。

借金はまだ残っている。
でも、孤独だけは減った。

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そして今、同じように苦しむ誰かへ

借金をしても、人間性まで終わるわけじゃない。
俺は何度も失敗した。何度も逃げた。
それでも、諦めなかった。
“諦めんよ”という言葉を、自分に言い続けた。

たとえ今日が最悪でも、明日は少しマシになる。
たとえ1円しか返せなくても、それは「止まらなかった」証拠だ。

借金は、恥じゃない。
逃げないことが、いちばんの勇気だ。

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終わりに

借金を抱えて、家族に言えずに苦しんでいる人へ。
今すぐ完璧にならなくていい。
今日を生き延びるだけで、十分だ。

俺もまだ道の途中だ。
でも、前よりもまっすぐに歩けている。
なぜなら、もう「一人で抱えてない」から。